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テクニカルレポート
洗浄排水(運輸)

バスなどの洗車排水の浄化

設置企業名:株式会社阪急阪神エムテック/設備提供企業名:株式会社アイエンス

1 納入経緯

バスなどの整備工場や洗車を行う事業所では、どうしても鉱物油の混じった排水が発生するため、その処理に手間とコストが掛かっていました。従来は、凝集沈殿および砂ろ過等を行っていましたが、老朽化に伴い、もう少し産廃回収の手間が掛からずコストを抑えられる方策はないのかと検討を行っていました。グループ企業のホテルから既設の加圧浮上装置を不要とし大幅なコストダウンを実現している散気管(液体中にガスを放出する管)利用の提案を受けました。

そこで鉱物油含有排水でも利用できないかの実験を行った結果、薬剤を一切使用せず、曝気するだけで下水道放流基準値を下回ることが判明し、納入に至りました。

バスの洗車(車底・ボディ)
バスの洗車(車底・ボディ)

2 対象となる排水の特徴

合計として約30m³/日の洗浄排水が排出されています。

  • 高圧洗浄排水:200L/1台×15台/日≒2~3m³/日 (タイヤ、車底を洗浄するため、排水に砂、油を多量に含みます)
  • ブラシ洗浄排水:25~30m³/日(比較的低濃度)

他に場内雨水も流入するため、雨天時は、倍量の排水を処理しています。 当初、砂と油を除去するため、沈砂池と油水分離槽で前処理し、凝集沈殿と砂ろ過により仕上げ処理をしていましたが、以下の問題があり、その対策が必要とされていました。

  • 水質変動に対する調整に多大な労力を要する
  • 薬剤費が嵩む
  • 多量の汚泥が発生するため、処分費が嵩む

3 排水処理技術の概要とポイント

システム図

散気管のポイント

  1. ブロワから空気を高速で噴射します。
  2. エアリフトで底の水と汚泥とを巻き上げます。
  3. 特殊形状フィンで空気と水を激しく混合し超微細気泡と循環流を槽内に発生させます。
  4. 循環流が発生することで、溶存酸素濃度の上がりにくい水槽の底のコーナー部にも酸素を送り込みます。
  5. 溶存酸素濃度を、2.0mg/L以上で維持することで微生物が最大活性します。
散気管 アクアブラスターのポイント

4 排水処理技術納入による効果

計量の対象原水処理水
PH6.97.4
BOD344
COD278
SS213
鉱物系N-Hex301.1
一般細菌16,000,000160,000

大阪府 バス操車場 産廃回収発生量 180m³/年

項目納入前納入後差額
汚泥回収費用(清掃費用)2,400,000320,000▲2,080,000
その他経費60,00030,000▲570,000
電気消費量250,000380,000130,000
バイオ及びメンテナンス0240,000240,000

5 創意工夫した点

既存の急速攪拌槽および緩速攪拌槽を流用して散気管 アクアブラスターを安価に設置
下水放流であるため仕上げ処理(砂ろ過)は省略してコストダウンを実現

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