塗装ブース用 スラッジイーター誕生秘話 その1

今回は、循環水浄化装置「スラッジイーター」の誕生秘話をお話しさせていただきます。
まだまだ信用も発注もなく、明日の資金繰りにも四苦八苦していた平成13年、加古郡稲美町という隣町の塗装屋さんで、「周辺住民から臭いのクレームが出ている」と相談をいただきました。
その当時、塗装工場にお伺いするのは、D自動車工場のカス池をアクアブラスターで浄化した以来で、そこの社長さんとお話しさせていただくと、「シンナー臭だけやったら、大気に揮散されるんやけど、塗装ブースの腐敗臭が混ざると近隣クレームになるんや!塗装ブースの水が浄化できるか?」とおっしゃいました。
私は、「はい。塗装のカス池の臭いは無くしたことがあります。」と答えると「そうか!ほな現場を見たって!」と塗装現場を案内してくれました。
その時、初めて塗装ブースなるものを見たのですが、カス池と違って、水深が30cmほどしかないことに驚きましたが、カス池と同様の塗装工場独特の腐敗臭が漂っていました。
「この臭いなら消せると思いますが・・・」と答えると、「ほな、すぐにデモしてんか!」と返ってきました。
D自動車工場の前例もあるので、ちょっと自信はあったのですが、アクアブラスターのデモ機を実際の現場に据えて間もなく、その自信は一気に吹き飛びました。水深があまりにも浅すぎて、空気がすぐに水面からポコンと逃げてしまい、エアレーションにならなかったのです。これじゃダメだと思い、「すいいません。社長もう一度チャレンジさせて下さい!」と申し出たところ、その時は快くO.Kを頂戴しました。
そして2週間後・・・「アクアブラスターを横に向けたらええやん」と実に浅はかな考えを持った私は、横向きにエアが噴き出るようにイメージして、アクアブラスターを改造して再びチャレンジさせていただきました。
スイッチオン!送風を開始した途端、思いっきり恥ずかしい思いをしました。なんと、横吹きに出てくれると思ったエアは、ノズル先端部より、迷うことなく直角に上に噴き出たのです。私の冷や汗も同時に噴き出たことを今も恥ずかしく思い出されます。
「さっぱりやないか!」と社長に一喝されましたが、「すいません!もう一度やらせてください!」と懇願したところ、「まあええやろ!もう一回だけやで。近隣は待ってくれへんからな!」と再度チャンスをくれたのです。
もう一度やらせて下さいとは言ったものの、その時に考えがあるわけではありませんでしたので、事務所に帰って、必死で考えました。
「そうか!水は空気より質量があるから、同じ質量の水でポンプで押し込めばええんや!」と思いついたのですが、「でも空気はどうやって送ればええんやろ?」とさらに壁にぶつかったのです。(つづく)
下の写真は、スラッジイーター稼働状況です。

スラッジイーター稼働状況
スラッジイーター, 循環水処理システム