日本一の焼き鳥工場 脱臭苦戦物語 その2

鳥の脂は捕捉できたので、近隣苦情はなくなったのですが、油脂がなくなって煙が軽くなった分、特攻会館の方でコゲ臭がするという話しになったのです。
別に何処かからのクレームではなかったのですが、言われる前にやっておこうという話しになったそうです。しかし、2次処理の方法は見当たらないし、活性炭吸着塔などは置く場所もないし、ランニングコストが高い・・・

と頭を痛めているときに、デオライザーをよく販売していただいている東京の代理店の方から、「アルデヒド用の消臭剤がありますよ!」と進められたのでした。そのときは、それが効くのかどうか半信半疑でしたが、他に方法論はないので、消臭剤を噴霧するチャンバー(脱臭室)を作り、それだと軽いので、屋根の上に設置することができました。
写真のように消臭剤を噴霧すると臭いは消えているのですが、煙は結構出てしまいますね(^^;

消臭剤を噴霧するチャンバー

消臭剤を入れる前に、一度水で試運転を行いましたが、水では思っていたほどの効果は得られなかったので、「やっぱりアカンのとちゃうかな?」と不安を抱きながら消臭剤を投入しはじめたのですが、少しすると、「あれっ?臭いが消えたんとちゃう?」・・・・・
消臭剤を噴霧しているのと、炭焼きによる熱の水蒸気で白煙はボンボン出てくるのですが、臭いはチャンバー出口でもほとんど気にならないレベルにまで抑えることができたのです。

ドレン水の違い

そして、上の写真でも分かるように、左がチャンバー内で水だけを噴霧した場合、右が消臭剤を投入した場合のドレン水の違いです。
黄色くなった右のドレン水は、かなりコゲ臭が強く、それだけアルデヒドを捕捉しているということです。
ただ、この結果は、あくまでも1次処理で大量の鳥の脂を捕捉しているからでの結果であって、1次処理から消臭剤を使用しても臭いがなくなるほどの効果は残念ながら得られませんこと、ご承知下さい。
そのように、1次処理にバイオデオライザー、2次処理に消臭剤を使用することによって、発注を頂戴した常務さんから同業者を紹介してあげるとまで言っていただけるほどの効果を発揮することができましたが、正直なところ排水処理設備がなければ設置は難しかったかも知れない現場でした。

排ガス処理システム