どうして水膜で脱臭するのか?

最近、バイオデオライザーの臭気物質や塵埃の捕捉能力を高く評価していただけるようになりました。では、どうして他のスクラバーよりも捕捉効率が高いのか、ミクロの世界を現実的なサイズに直してご説明させていただきます。
通常、捕捉したい臭気物質の大きさは、1~10ミクロン程度ですが、それを叩き落とすシャワーの水の粒径は、いくら頑張っても150ミクロンほどにしかなりません。これをミリメートルに直しますと、ジンタンか銀玉鉄砲の玉をソフトボールで当てて落とすようなイメージになります。
ということは、ほとんどの物質が水に接触せぬまま抜けてしまうということなのです。

仮に、接触効率を上げようと充填材を積み重ねても、充填材の隙間を5ミリとし、上記の割合で換算しますと、隙間は5メートルにもなることがわかります。
アイエンスも昔は、充填材からスタートしましたが、お客様の満足を得られないことがよくありました。
塔内通過速度も必要以上に遅くしているのに思ったような捕捉効率が得られないことから、試行錯誤を重ねて、現在の水膜形成に辿り着くことができました。
しかし、上記のヒントをくれたのは、シャワーノズルメーカーの担当者さんでした。

「水の粒径はいくら小さくしても150ミクロン、霧の粒径にしても40ミクロンですから、1ミクロンのものを捕捉するのは至難の技ですよ!」と、さもすれば、シャワーノズルが売れなくなることを覚悟で教えてくださいました。
もちろん、シャワーノズルは、品番こそ変更しましたが、いまだに採用させていただいております。
バイオもそうですが、目に見えないミクロの世界になると、なかなかイメージがつかみにくいものですね!

スクラバー デオライザー, 排ガス処理システム